弊社ではこのサイトを通じてキーホルダーを作成させていただいておりますが、時々お客様より、「キーホルダーとキーチェーンの違いってなんですか?」や「キーチェーンとキーリングって何が違うんですか?」というようなご質問をいただきます。日本ではどれも同じ意味合いで何気なく使っていますが、海外ではそれぞれの意味がありますのでご説明したいと思います。
日本では一般的にはキーホルダーと呼ばれていますが・・・
弊社ではサイト内では「キーホルダー」という名詞を使っています。これが一般的な名称だと考えていたからです。でも色々と調べてみますと驚くことが多いですね。キーホルダーは海外からきたアイテムですので、日本と海外ではその意味合いもだいぶ違ってくることが多いですね。何となくですが、「キーホルダー」は「キー(鍵)」を「ホールド(保つ)」するものだと思っている方も多いのではないでしょうか。
さて、早速調べてみることにしましょう。試しにアメリカのAmazonで「keyholder」入力して検索してみましょう。どうでしょうか?
見慣れているキーホルダー以外の写真がいくつかありますね。なんでしょうか?鍵を掛けるフックのついたものが沢山付いている写真がありますね。これがキーホルダーのもともとの意味なのです。キーホルダーはもともとは家の壁やドアの付近に取り付けられている小さなフック付のハンガーのことを指していました。外へ出掛ける時、外から家に帰ってきた時に車や自転車などの鍵をキーホルダーのフックに掛けておくことで、鍵を無くさないようにするための器具だったのです。会社の営業車の鍵を掛けておく器具がありますがあれも言わばキーホルダーなんでしょうか?
もっとも、一般的なキーホルダーと区別するために、これらの商品は「キーリングホルダー」「キーフック」「キーハンガー」などと呼ばれることもあります。
キーリング、キーチェーンはキーホルダーを構成する部品の名前だった?
次は「キーリング」と「キーチェーン」についてご説明いたします。「キーリング」は1800年代初頭にサミュエル・ハリソンによって発明されました。キーリングとは、単一の金属片でできた二重のループ構造のものになります。このループの端の一方をこじ開けて鍵を通してループが完全にかみ合うまでスライドして鍵を装着します。今でさえ当たり前のものですが、当時は鍵を無くしてしまう人が多くて画期的な商品だったのです。
この後にキーチェーンの必要性が増してくることになります。ライナスエールジュニアによって現在のセキュリティシステムのもとになるシリンダー錠を発明したからです。その発明によって人々は安価に錠が使えるようになって沢山の人に広まったことにより、鍵をぶら下げておくキーリングが必要になったのです。鍵を持っていただけでは鍵を無くしてしまう可能性が高いので、鍵を保持しておくものが必要ですよね。
さらに、誰のものか識別できるように名前や印の入った木片などを装着しており、これを「フォブ:Fob」と呼んでいました。(これが後にキーホルダーのことをキーフォブとも呼ばれるようになった所以です。)
昔はこれで良かったのかもしれませんが、今は鍵が沢山ありますのでこの輪っかでは小さいなと思います。
「キーチェーン」はこのキーリングに鎖(チェーン)を付けたものです。今ではこのリングの部分がナスカンやカニカンなど多くのパーツが存在していますが、当時は単純だったのです。
キーチェンは1800年代の終わりごろにフレデリック・J・ラウディンによって発明されました。この写真とは違いますがこれも当時は画期的な発明でした。鍵を沢山付けるとかなりかさばりますのでチェーンがあることでスッキリしますね。キーチェーンが発明されたことによりより商業的な色合いが濃くなってきて後にノベルティグッズとして使われるようになりました。今ではナスカンやカニカンといった接続パーツが増えてきましたが、最初はこのチェーンが一般的できでした。
以上をまとめると、キーリングやキーチェーンが進化してキーホルダーになっていったということになりますでしょうか。弊社が海外の会社とキーホルダー輸入の取引をする時は「Key Chain」というキーワードを使っています。海外ではやはり「Key Chain」が一般的な名詞になります。一部の高級ブランドのメーカーではサイト内で「Key Holder」というキーワードを使っていますね。
ちなみに、キーフォブという言い方もあります。「キーフォブ:Key Fob」はキーリングやキーチェーンについた飾りが装飾性の高いものを指して呼ばれています。高級車のキーは鍵の部分に立派なエンブレムを入れたり、色々な装飾を施していたりしますね。また、高級ブランドのロゴが付いたキーホルダーなどもやたらと装飾しています。これらは敬意を表して「キーフォブ」ともいうべきでしょうか。