弊社では缶バッジをメインに製造していますが、関連商品としてピンバッジも製作しています。どちらも沢山のご注文をいただいています。あるお客様から缶バッチをご注文いただいたのですが、「57ミリのピンバッチを注文したい」とメールでご連絡いただきました。一瞬おかしいなと思うのですが、これは缶バッジとピンバッジを混同されているのだなと解釈してそのまま缶バッジとして注文をお受けいたしました。実はこの件だけでなく何度かそのように混同されてるお客様がいらっしゃいました。どちらもバッジで良く似ていますので間違いやすいのかもしれませんね。そこで、今回は缶バッジとピンバッジの違いについてご説明させていただきます。
缶バッジとピンバッジの形状の違い
下の写真をご覧ください。左がピンバッジで右が缶バッジです。それぞれの形状を見ますと随分違いますね。缶バッジは裏がフックピンまたは安全ピンがついています。フックにかかっているピンを手で押し上げて、その尖った部分を衣服などに刺してまたフックに戻して缶バッチを固定します。ブリキ、スチール、アルミなどの材質で中身は空洞になっています。缶バッジの方は細かくご説明しなくても分かるかと思います。対して、ピンバッジはピンが垂直に伸びています。簡単にいうとコインのような平たい金属の円形状の板の真ん中に針がついています。カバーのようなもの(バタフライクラッチ)を一旦外して衣服などに刺します。そして、バタフライクラッチを戻してピンバッチを固定します。ピンバッジは他にピンズとも呼ばれています。アメリカでは愛称として「pinz」(ピンズ)と呼んでいます。
下はピンバッジを拡大した写真です。ピンバッジの台座からピンが垂直に伸びているのがわかりますでしょうか。ピンバッジの横に置いてあるのがバタフライクラッチというものです。これがないと針がむき出しになり危ないのでバタフライクラッチをはめて針をガードします。クラッチというのは針を二つの挟む道具(バタフライ)で針が出てしまわないように固定(クラッチ)するということで、車のクラッチと同じ意味になります。しっかりとバタフライ部分を押さないと外れないようになっていますので安全性は高いです。
缶バッジとピンバッジの形状を比較するとこんなにも違うのですね。バッジの固定の仕方も違うのがお分かりいただけましたか?
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缶バッジとピンバッジ仕上げ方法の違い
缶バッジはいくつかの印刷方法により印刷して表のフタと裏のフタをプレスして製作しますが、ピンバッジはいろいろな仕上げ方法があります。
缶バッジの仕上げ方法
- オフセット印刷—平版印刷とも呼ばれていて、凹凸のない平たい版を用いて油が水を弾く原理を用いて印刷します。
- オンデマンド印刷・インクジェット等—オンデマンド印刷機またはインクジェット出力機を使ってフルカラーで印刷します。
ピンバッジの仕上げ方法
- 本七宝—ピンバッチを造る際の伝統的な仕上げ方法で、ピンバッジの台座に釉薬を塗って高温で焼き付けてさらに綺麗に磨いていきます。
- 擬七宝—本七宝に近い風合いを安価でできるようにするために、着色剤の中に合成樹脂を入れます。後は同じように高温で焼き付け、研磨します。
- フォトエッチング—薬品を使ってピンバッチの台を溶かして(腐食させて)凹ませて、その中に塗料を流し込むようにして製作します。
- オフセット印刷—缶バッジの仕上げと同じように平たい版を用いて印刷します。フルカラーで印刷することができます。
- シルク印刷—孔版印刷とも呼ばれ、版の上にインクを盛って印刷される部分にインクが透過していくことで印刷します。
缶バッジですとほとんどの業者様はインクジェット印刷になりますが、ピンバッジには沢山の仕上げ方法や工法があり簡単にできるものから本格的なものまであります。これらはお客様が求めるクオリティやご予算によって変わってきますので最適なものをご提案させていただいています。ただし、ピンバッジにつきましてはドームシールタイプという簡単に小ロットで作成可能なもののみ扱っています。
こちらの写真のように原稿の上に透明樹脂ドームのシールを貼って高級感を出しています。ぷっくりとした透明樹脂ドームの艶がでていますね。小ロット対応でお客様のご要望を叶えるにはこのタイプが一番です。両方作りたいというお客様も結構いらっしゃいます。25ミリの大きさなら缶バッジとピンバッジ両方同じデザインで作成可能ですのでいかがでしょうか?