缶バッジは原材料が鉄ですので錆びて当たり前という商品になります。これは誰でも知っていることですよね。でも、せっかく手に入れたお気に入りのキャラクターの缶バッチが入手して1か月もしないうちに錆びてしまったなんていうご相談が弊社に時々舞い込んできます。お話を聞いているとどうやら弊社で作成した缶バッチではなく他社様で製作されたもののようです。苦労して手に入れたお気持ちを考えるとお話を聞いていることしかできない辛さもあります。
twitterでも度々話題になっていますね。
とあるツイートの写真を見ますと缶バッチの原稿の中に点々とサビらしきものが見えます。せっかくのキャラクターのデザインが缶バッジのサビで見えなくなってますね。
初期の袋から一度も出さず部屋で保管してたんだけど、まるかく缶バッジってここまで錆びることあるの(꒦ິ⌑꒦ີ)!?裏側が錆びるならわかるけど表面ここまで錆びるの初めて見た😰黒バスだけじゃないと思うけど、エンスカイのまるかく持ってるひとでここまで錆びたことあるひといます…😓? pic.twitter.com/Y3cAF3efKX
— あ (@M_A6Ix) 2017年10月24日
この缶バッジは恐らくインクジェット印刷で出力した原稿ですね。そして、通常はインクジェットプリンタであれば原稿と缶バッチの表のシェル(蓋)の間に薄いフィルムを入れておくのですがそれがないために、インクジェットのインクが原稿を通して下に染み込んでシェルを錆びさせてしまったのです。
きちんとシェルと原稿の間に薄いフィルムがあればこのような錆び方にはなりません。長年営業している缶バッジ製作業者様でしたら薄いフィルムを使って防錆対策を行っているはずなのですが、もしかしたら新しい業者様でこのようなノウハウが無かったのかもしれません。インクジェットプリンタを使用して原稿を印刷する場合はこのフィルムがないと表面のデザインを汚すような形で錆がでますのでフィルムを入れているか入れてないかがすぐに分かります。もう15年以上も前からこのように、原稿と缶バッチのシェルの間にフィルムを入れるのが普通の仕様というのに、いまだにこのような錆び方をする写真を見ていますとがっかりしてしまいます。
弊社はもう20年近く缶バッチと関わってきましたので、どのようなトラブルが想定されるか、またそれを回避するにはどのようなしたら良いかということを常に考え続け解決してきました。そして、サビに対する防錆加工についても2002年には既に完了していました。
さらに弊社では一歩先を行くような形で、数年前にオンデマンド印刷による原稿出力に切り替えをしました。オンデマンド印刷はインクジェットのような水分を使ったインクではありませんのでインクが原稿の紙を浸透することはありません。また、印刷用紙自体が特殊コーティングされている紙を使っているので防サビに対する効果が一層高まっています。缶バッジのデザイン面が錆びてしまったというクレームは一切来ておりません。
ところで、私は実験大好きなので、防錆加工をしてない缶バッチをいくつか作って、キッチン、トイレ、風呂場、雨に濡れない外の窓際などに置いて錆の実験をしたことがありました。わざと錆が発生しやすい場所においてどのような錆びていくかを試してみたかったのです。毎日毎日缶バッチが錆びていくのを見ているという、ちょっと可笑しな性格でもありました(笑)ちなみに防錆対策無しで実験した写真があります。これは原稿をシェルの間にフィルムを挟んでない状態です。
どうでしょうか?まさに先ほどのツイートと同じようなサビの発生の仕方ですね。この手の錆を防ぐには薄いフィルムを挟んで水分を物理的に遮断する他ないかと思います。または写真用紙などの裏面がコーティングされている紙を使う方法もありますが用紙が高いのでコスト面が気になるところです。今のオリジナル缶バッジの価格低下の流れからすると写真用紙を使うのはコスト的に難しくなっていくかもしれないですね。
ご自身で自作される方や新しく缶バッチの製作を始めるという業者様でしたら、インクジェットプリンタを使うかと思いますので、このページを見て参考にしていただければ、先のお客様のように残念な体験をすることなく楽しく缶バッジを購入していただけるかと思います。